植物の繊維から糸をつくる
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麻製の糸を手にしたとき、草から出来ていると意識したことはありますか?
リネン製品は亜麻(あま)という草の繊維を糸にして織った自然素材の環境にやさしい布製品です。畑で引き抜かれた亜麻を見ても、やわらかな布になることは想像しにくいです。亜麻の繊維が布になるまでは、大変な手間がかかります。
リネンから取り出した繊維の長さは1メートル程度。少しでも長い繊維を取るために根まで使われます。
この黄金色の繊維をさらに何種類かに分け、最後に残った長くて強い繊維だけをよってつなぎ合わせて、糸にします。
取り出された繊維は何度もクシに通されて、細くて長い繊維だけが糸の繊維として使用されます。はじかれたリネンの繊維は別の用途に使用され廃棄物を出しません。
このように植物の繊維から糸をつくるので、糸は不均等になります。この糸で織った布にはネップと呼ばれる繊維のかたまりがあります。ネップは性能上には問題なく、一枚一枚の布に個性が生まれるのです。その年に畑で育ったリネン一本一本の個性そのものが糸と布に現れます。リネン製品は毎年違うビンテージとなるのです。
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(文章:CC)